母の喫茶店を受け継いだ、地元で愛されるカフェ「Caffè Alice」の店主 原島 順哉さん

旬の野菜を使ったパスタとエスプレッソ

街に溶け込むレトロな外観が目を引くCaffè Aliceは、ランチタイムにはパスタ目当ての地元客でにぎわう知る人ぞ知る人気店だ。ランチのパスタは旬の食材を豊富に使った週替わりパスタや野菜中心のヘルシーなものが多い。中でも一番人気の「トマトとチーズ」は香味野菜で煮込んだトマトソースとチーズのコクがやみつきになる一品(ランチセットはサラダとドリンクがついて1,100 円~)だ。また、グランドメニューや黒板メニューも豊富なので時間を変えて再訪したくなる。

もう一つのオススメは WBC(ワールドバリスタチャンピオンシップ)のオフィシャルマシンに選定されているイタリアの老舗メーカー「NUOVA SIMONELLI」のマシンで淹れるエスプレッソ。そして豆は「MARUWA COFFEE」さんの焙煎によるオリジナルブレンド。自家製ケーキと一緒にぜひ味わっていただきたい。

人生の転機で選んだのは、大切な家族の時間

店主の原島順哉さんは、デザイン学校卒業後にデパートのディスプレイデザインの仕事をしていた。しかし、会社員として働くことに窮屈さを感じていた矢先、奥様に新しい命が宿った。「今の仕事では育児の時間も作れない」と悩んだ原島さんは、これを機に地元である飯能に帰って母親がやっていた喫茶店を受け継ぎ、生計を立てる決意をした。本格的な飲食業の経験がなかった原島さんは会社を辞めてから4年間、飲食業界で働き(実は会社員時代より精神的にも体力的にもこの時期が一番キツかったそう)、2010年に「Caffè Alice」をオープンさせた。

「会社員時代と比べると、どうしても収入面でかなりの波がありますが、それよりも家族との時間を大切にしようと思ったんです」と、原島さん。子どもが休みの日曜と月曜は定休日とし、家族との時間をしっかりと作っている。

自分の技能を生かして地域とつながる

原島さんは飯能出身ではあるものの、長い間地元を離れていたので知り合いはほとんどいなかった。そんな中、お客様との交流からデザインのニーズがあることを知り、前職の経験を生かしてロゴやパンフレットなどのグラフィックデザインを請け負い、地域との接点をつくることに。地方都市にはイベントのDMや店舗紹介冊子の制作など気軽に相談できるデザイナーが少ないため重宝され、少しずつつながりを広げることができた。

そして5周年を迎えたとき、「これまで関わってくれた人たちに感謝したい」という想いから、様々な活動している先輩方や友人、常連のお客様たちに出店してもらうマルシェ形式のイベントを開催した。これが好評で、翌年からは「はははの日マーケット」として地元の人たちが集まる人気のイベントとなり、さらなるつながりを生み出している。他にも哲学について学ぶ会やアーティストのトークイベントを開いたり、環境問題をテーマにしたイベントやUFOを呼ぶ会などユニークな企画を打ち出したりと、今やCaffèAliceは、地域のコアな仲間たちが集まるこのまちになくてはならない場所となっているのだ。

 

text & photo : kohei akai

Caffè Alice

営業時間:
11:00〜17:00(火・水・木)
11:00〜20:00(金・土)
定休日: 日・月
TEL: 042-972-6930
住所: 飯能市双柳353-55
(JR「東飯能駅」徒歩10分)
駐車場:4台 Wifi:✕ カード:✕
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