子供も大人も音楽にふれられる場所を作りたくて。「BON TEMPS」店主 飯田 玄彦さん

ゆったりとJAZZを聴けるカフェバー

カウンター4席、4人がけのテーブル1つの小さな空間がジャズで満たされる「Bon Temps(ボントン)」。居酒屋の多い飯能では珍しい落ち着きのあるカフェバーは、オープンから一年も経たずに世代を超えて様々な人が集まる人気店となっている。昼は香り高いコーヒーと揚げたてのドーナツを楽しめるカフェ、夜は洋酒を中心としたバーとスタイルが変わるが、どの時間帯でもセンスの良いジャズが聞こえてくるのが特徴だ。

また、月に一度はジャズライブも行っており、手を伸ばせば演奏者にふれられるほどの距離で生の音を楽しむことができる。ゆったりとした時間を過ごしたいという人はもちろん、音楽好きにもぴったりのお店なのだ。

日本にもニューオリンズの自由な空気を再現したくて

カフェタイムを担当しているのは、自身もトランペット奏者として音楽活動をしている飯田玄彦さん。お店を構えることになったきっかけは、以前この場所が別のカフェだった頃お客の一人として来ていて、カフェが閉店すると聞いた時ジャズバンドの練習場所として借りようと思ったのだそう。ところが、バンドは毎日のように練習をするわけではないのでどうしても空いている時間ができてしまう。その時間がもったいないのでコーヒーでも出そうと始めたのが「Bon Temps」だった。それが人気となり「すっかり時間が逆転してしまいました」という飯田さんの言葉通り今やお店がメインで、それ以外の時間に練習をするようになってしまったのだそう。

  飯田さんがトランペットを始めたのは20代の頃。高校卒業後、自分のやりたいことを探して全国を周り、沖縄で出会ったアメリカ人に勧められて渡米した。その後、20代のほとんどをアメリカ過ごし、ジャズの本場ニューオリンズでトランペットと運命的な出会いを果たす。選んだ理由は、ピアノのように押すところが多くなく一見簡単そうに見えたことと、何より目立てそうだったからなのだとか。もちろん実際はそんなに甘いものではなかったが、ニューオリンズでは日常的に街に音楽が流れ誰でも気軽に楽しめる文化があったので、始めたばかりの飯田さんでもライブの舞台に立つことができ、音楽の技術と楽しさを身体で学ぶことができた。

  そんな体験があるからこそ、飯田さんは飯能でも気軽に音楽に触れられる環境を作りたいと考えている。例えば、学校帰りに子供たちがお店から流れるジャズを聴けたり、トランペットやチューバなど珍しい楽器に触れさせることで子供の可能性を広げたいのだそう。その第一歩として、音楽の基礎を学びセッションをするワークショップをスタートさせている。そこでは難しい知識ではなく、最低限の理論と演奏に必要な技術を教え、その場で演奏しながら体験で学ぶスタイルをとっているので、楽しみながら腕を磨くことができるのだ。

自由がある街だから、新しいことに挑戦できる

飯田さんが飯能へ引っ越すことになったきっかけの一つは子育て。都心では車の通りも多く、安心して子供を遊ばせることもできなかった。そこで、ほどよく自然も残っているゆったりとした環境が残る飯能を選んだ。そしてもう一つの理由は、東京に比べてまだいろいろなことがシステム化されておらず、街が変化しつつある状況なので新しいことが始めやすい環境だったこと。「子供たちが気軽に演奏できる機会をつくったり、地域に根付いているお囃子の皆さんと一緒にセッションしたり、やりたい事は色々あるんです」と語ってくれた飯田さん。ニューオリンズの話、ジャズの話、実現したい夢の話を聞いていると、この小さなカフェから新しい文化が生まれるのでは、という期待が膨らんでいくようだ。

text & photo : kohei akai

BON TEMPS

営業時間: 11:30〜17:00
定休日: 日・月
TEL: なし
住所: 埼玉県飯能市仲町20-14
西武池袋線「飯能駅」北口 徒歩10分
駐車場:− Wifi:− カード:−
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